イタリアの地図で「かかと」の部分にあたるプーリア州は、ワカペディアにとって心許せる実家のような場所だ。美しい海に、シャイながらも温かく受け入れてくれる人々、そして絶品の料理!これらがプーリア過ごす日々を忘れられないものにしてくれる。人気リゾート地として、最近ではイタリアだけではなく海外からも観光客が来ていたのだが、そんなプーリアが、新型コロナウイルスの影響で経済的に大打撃を受けているそうだ。それを聞いて、いてもたってもいられなくなったワカペディアは、少しでも観光業に貢献できればという建前と、小麦肌のイケメンとの一夏のアモーレが待っているかも?という浅はかな期待を胸に、プーリア州のあるサレント半島へ向かった!

地中海の太陽がたっぷり注がれるプーリアは、オリーブやオリーブオイルが美味しく、その生産量は、イタリア国内第一位として知られている。沢山の魅力あるプーリアだが、まずは今回の宿泊先、ヴィラ・エリアVilla Eliaについてご紹介しよう。あたり一面に広がるオリーブ畑とサレント名産のオレンジの木々に囲まれた広大な敷地の中にある「マッセリア」がヴィラ・エリア。元々マッセリアとは、農場領主の館という意味だが、現在はプーリア地方の典型的な別荘を指す。1618世紀にかけて、土地の所有者であった貴族達は、住み込みの召使いや羊飼いらとマッセリアで生活していたという。このヴィラ・エリアも例外ではなく、今でもまるでタイムスリップしたかのような雰囲気が漂っている。昔ながらのイタリアを感じながら滞在できるとあって、これまで宿泊客が後を絶たなかったそうだ。現に、これまでヴォーグ・オーストラリアに掲載されたり、大手出版社のコンデナスト・トラベラー・UKによる『ヨーロッパで最も綺麗なヴィラ・トップ25にも選出された。ミラノ出身の実業家でありヴィラのオーナーガエターノ・カステッリーニGaetano Castellini氏もこの場所の虜になり15年以上オーナーを続けている。内装には、ビンテージ家具、ヨルダンラーニア王妃の絨毯、カラフルなアフリカの銅像やタヒチのお面などが飾られていて、彼のこだわりがよく伝わってくる。おしゃれなインテリアだけに留まらず、敷地内にはプールやトルコ風呂、さらには菜園用の庭や鶏小屋まである。採れたての野菜に、産みたての卵を生かした伝統イタリア料理で腹ごしらえをしたら、街散策に出発!

 まずワカペディアが向かったのは、ヴィラ・エリアから車で10分ほどの場所にある、「イオニア海の真珠」と名高い都市、ガッリーポリ。バロック期の宗教建築やアンジョイーノ・アラゴン城、環境保護団体のランキングで数年間トップにランクインする幻のビーチが知られている。ちなみに、ちょっと小腹が空いた時にはプーリア州のB級グルメ、豚肉巻きボンベッテや、小さめのピザ生地に具を入れて半月状に閉じ、揚げたりオーブンで焼くパンツェロットがおすすめ。プーリアはストリートフードも充実しているので、出来立てを買って食べ歩きをするなんていうのも、よく見られる光景なんだとか。見どころ満載なガッリーポリに行けば、最高のバカンスを楽しめるはず!

次の目的地は、ヴィラ・エリアから車で40ほどの場所にある都市、レッチェ。はちみつ色の石灰石でできたゴシック建築が有名で、旧市街にある古代ローマ時代の円形競技場の遺跡や、サンタクローチェ聖堂探索するのがおすすめ。バールで果肉のつまったオリーブをつまみに一杯楽しむのも良い。夜になると建物がライトアップされ、昼間とはまた違ったロマンチックなレッチェの街並みが楽しめる。テラスで食べるプーリア特産のブッラータチーズや、耳たぶ型のオレッキエッティパスタ、新鮮な魚、イカやタコのフライは格別!美味しいプーリアの食と最高の雰囲気にテンションが上がり、白ワインがいつもより進む。ほろ酔い気分になって帰ろうとしたら、海が似合うイケメンの店員さんが、「君の食べっぷり、気に入ったよ!これは僕からのサービス。また来てね!」と食後酒のレモンリキュール、リモンチェッロをウインクと共にご馳走してくれた。もしかして、一夏のアモーレはここにあり?!なんて妄想が膨らんだのはさておき、プーリア州の人々は最初は少しシャイだけれど、打ち解けるととても気さくで、温かい人達なんだと改めて感じた。

心もお腹もすっかり満たされて、履いていたパンツはパンパンに。ちょっぴり食べ過ぎたかも?なんて思った時には、有料サービスでヴィラ・エリアの優秀なパーソナルトレーナーの指導の元、余分なカロリーを消費しよう。希望すれば、顔のリフレクソロジーも受けられるなんて、これぞまさに天国!

魅力的な海、食事、建築、歴史だけでなく、居心地抜群のヴィラまであるプーリア。複数の世界遺産をも持つプーリアには、まだまだ見どころが盛り沢山!007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の撮影が行われた洞窟住居の街、マテーラ(詳しくはこちら)や、白い漆喰塗りの壁にとんがり屋根が特徴的な街、アルベロベッロイタリアユーロの1セント硬貨にもなっている中世の城、カステル・デル・モンテ、さらには、世界の絶景トラベラーに大人気の海沿いの洞窟にある高級レストラン「リストランテ・グロッタ・パラッツェーゼ」で有名なポリニャーノ・ア・マーレもある。更なる楽しみは次回にとっておこうと心に決めたワカペディア。新型コロナウイルスで気が滅入っているあなた、プーリアなら、心に残る思い出作りに一役買ってくれるはず!