これまでミラノパリロンドン上海と様々な国の文化に触れてきたワカペディア。(詳しくはLet’s goをチェック!)それぞれの文化を楽しむ反面、パスタやピザづくしのイタリア旅行中に味噌汁や白米、納豆が恋しくなるように、海外を転々とするからこそ気づく日本の良さもある。

しばらく抱えていたヨーロッパでの仕事を終え、久しぶりに日本を満喫したいと思った矢先、株式会社グローカルプロジェクトから連絡が入った。福岡県に本社を構え、まだ知られていない日本の魅力を、地域の人とともに世界へ発信している企業だ。ありがたいことに、グローカルプロジェクトの新サービス、九州の文化遺産を巡るバスツアー「Dokodemo Busに参加させてもらうことになったのだ!「どこでもバス」というツアー名を聞いた瞬間、「バス型の『どこでもドア』?ドラえもんからのプレゼント?!」なんてドキドキしてしまった。ところが、ワカペディアが九州と聞いて思い浮かんだものは、博多明太子とくまモンくらい。。。慌ててグーグルに助けを求めながら、荷物をまとめて冒険へと旅立った。

早速、ツアー集合場所となる博多駅のバスターミナルに着いたワカペディア。早朝にもかかわらず、中に入ると一気に目が覚めた。ターミナル内にはコーヒーや軽食をとるスペースがあり、お洒落なカプセルホテルも併設されていて、予想以上の快適さだ。バスに乗り込み座席を見渡すと、なんだかインターナショナルな参加者が多い。もしかしたらDokodemo Busが、九州の文化遺産だけでなく、異国のプリンスやプリンセスとの出会いまで導いてくれるかも?!そんなミーハーなことが頭をよぎりながら、バスは出発した。

最初に向かったのは、熊本で最も古い酒蔵「寛政蔵(かんせいぐら)」がある、通潤酒造(つうじゅんきょう)。江戸時代後期に創業した酒蔵だ。2016年の熊本地震では、4000リットルもの酒を失ったが、20193月に観光酒造として、リニューアルオープンしたという。酒造りを見学した後は、ランチ&テイスティングタイム!ミシュランガイドにも掲載されたレストランが作る、地元特産の食材を使用したおかずの盛り合わせ弁当と、寛政蔵の選りすぐりの日本酒が運ばれてきた。贅沢なランチを存分に楽しんだ後、ちゃっかり数本購入した日本酒を脇に抱え、席に戻った。

2番目に向かったのは、国指定重要文化財にも指定されている「通潤橋(つうじゅんきょう)」。日本最大級の石のアーチだ。橋からの放水も見られると聞いて、見てみたいとうずうずしていたのだが、突然の大雨でバスから出られなくなってしまった。そんな中、忍者の覆面にスーツ姿のサラニーマンにとイケメン外国人二人組のコメディアンがバスに現れ、日本文化をコントで面白おかしく説明し始めた。ランチで飲んだ日本酒がちょうどいい具合にまわり、特別ゲストの登場でさらに賑わう車内。気づけば、雨にがっかりする暇もなく、次の目的地に到着!

3ヶ所目は、熊本の「清和文楽館」。ここは、約300年前に生まれた日本伝統芸能「人形浄瑠璃」を見ることができる、九州で唯一の場所だ。2名の文楽人形の技術保持者が熊本無形文化財として認定された他、イタリアをはじめ海外でも公演を開催するなど、由緒ある文楽館だ。人形浄瑠璃は、物語、三味線、人形の3つのパートから構成されている。ちなみに、1体の人形を操るのは3人がかりだというから、驚き!シンプルでありながら、繊細な表現バランスと、丁寧で緻密な職人技には日本文化の美しさを感じた。(人形のリアルな表情の変化と、舞台に響く迫力のあるナレーションに、ホラー映画のシーンが一瞬よぎったのはここだけの話)

伝統芸能を楽しんだ後のクライマックスは、宮崎県の「高千穂」。神が宿る里として言い伝えられているせいか、ボートから見える圧巻の大渓谷や、早朝の雲海が幻想的な国見岳など、どこを見てもスピリチュアルなパワースポットのように感じられた。1時間の自由時間をもらったワカペディアは、雨の中傘を差すことも忘れ、綺麗な景色を目に焼き付けるべく走り回り、大自然のパワーをたっぷり吸収したのだった。(ただし、大自然のパワーは風邪までは吹き飛ばせないので、防寒、防雨対策は忘れずに)

どこに行っても、終始アクティビティが盛りだくさんのDokodemo Bus。移動が簡単なだけでなく、ランチにテイスティング、酒造見学など、充実したツアー内容にもかかわらず、一人25,000円とリーズナブルな価格。一人旅で新たな出会いを求めるのもよし、恋人とロマンティックな旅行にするのもよし、友達グループでワイワイ楽しむのもよし。英語での説明も含まれているため、英語を勉強したいあなたにももってこいかも?幅広い層の参加者が楽しめる、おすすめツアー。あなたもDokodemo Bus九州の素敵な思い出作りに出かけてみてはいかが?